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2024年春の養生

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冬を抜けて春の声が聞こえてきました。 気がつけばもう 3 月も後半。 今年はいつもよりも早く桜が咲きそうだったのに ここのところの寒さで震え上がって、結果例年よりも遅めの開花のようですね。 暦によると、今年は太陽寒水司天という年なのですが、 太陽寒水司天という年は、一年を通して寒さを強く感じる年です。 前回お話しした「甲辰」と重なると、より地面からエネルギーは冷たく 太陽の日差しが強くなっても、なかなか温まりません。 温かい春の季節が近づいてきても、急に湿気を多く含んだ北風が吹いたりして 寒暖の差が大きく、寒気と暖気がうまく混ざらないので 私たちの身体もその寒暖差に翻弄されています。 春はもともと冬に溜め込んだ毒素をデトックスして、 新しい季節を元気に活動するための体づくりをする期間です。 冬の間身体は、冬の寒さから身を守るためにエネルギーを内側に貯めて 体温を保持しています。 その時、温かいエネルギーを漏らさないように身体の「穴」を閉じるので 一緒に老廃物や余分な水や毒素なども溜め込んでいます。 それが春になると、貯めていたエネルギーを外側に開放して、活動を促しますが、 伸びやかに活動するためには、 身体中の「余分なもの」を大掃除して障害物を排除しなくてはなりません。 ですから春先は特にエネルギーが必要です。 しかし、下半身が冷えてお腹の調子が悪いと、エネルギーを全身に巡らすことができず エネルギー不足で眠くなったり、疲れが取れなかったり。 また、下半身の冷えが取れず上の方だけで熱がぐるぐる回るので、 情緒が不安定になったり、鼻血が出たりと、不具合が出てしまいます。 今、しぶり腹や下痢、ガス腹などお腹の調子が良くない人は、 もうすでに今年の陽気に翻弄されていますから、注意が必要です。 今年の養生のキーポイントは、「理気」です。 「理気」とは、気(エネルギー)を通すこと。 特に春は、活動するためのエネルギーが体の中から外に流れ始めます。 この春のエネルギーは、邪魔をされることをとても嫌うので、 気の巡りを邪魔する無駄な湿気や、老廃物をしっかりデトックスして 気の流れを「通す」ことが大切です。 春のデトックスにいいのは「苦味」 上に上がった余分な熱を冷やしたり、 また、体に溜まった老廃物の解毒をして排出してくれます。 木の芽、ふきやセリ、たけのこなどの春の山菜は「春の

2024年の冬養生

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    暖冬と言われていた今年の冬も、 大寒と共に寒波の到来で本格的な冬がやってきました。 今年は暦で言うと「甲辰」(キノエタツ)。 この「甲辰」の年は、例年よりも湿気のある温暖な季節になるとされていて、 実際正月からずっと、気温が高く厚いコートは要らない日も多かったですが、 地表は冷たく下の方に寒が蔓延っているため、 下半身を気がつかない間に冷やしていて、 結果、お腹の不調や足腰の痛みを起こす人が多くなっています。 また気温は高いのに地表が冷たいため、 温と冷が混ざることなく漂っているので、 自律神経が誤作動を起こしやすく、 アレルギーや自律神経失調も起こしやすくなっています。 実際例年より早く花粉も飛び、花粉症の症状を訴える人が多いです。 今年はお腹と腰という身体の要の場所が揺るぎやすくなるで、 お腹周りをしっかり養生いなければなりません。 特にお腹からの下半身は冷やさないようにすることが大切です。 暖冬だから薄着でいいなどと言わず、 腹巻きやスパッツ、レッグウォーマーなどでしっかり防寒しましょう。 陽射しが暖かくて暑いと感じるときでも、 日陰に入るとグッと冷えるでしょう? あの冷たさが今の地表の寒なのです。 お腹と冷えは、そのまま免疫力低下と体力低下に繋がります。 冷たいものは厳禁。この時期は常温のものもであっても ダイレクトにお腹を冷やしてしまうので、 できるだけ白湯や温かいものを飲食してください。 また腰の冷えは、老化を加速させます。 温かい室内にいても、座りっぱなしだったりすると、 下半身に冷えが蓄積しますから、 寒いからと言って縮こまっていないで、 身体を動かしましょう。 ただ固まっている筋肉をいきなり大きく動かしてしまうと、 筋違いなどを起こしてしまうので、 まず肩や胸を摩ってほぐしてから動かしましょう。 なかなかまとまった時間が取れない方や 外に散歩がなかなかできない高齢者の方は、 座ったままでも、股関節から脚を左右に揺らしたり、 つま先を床につけたまま踵を上げて足踏みなどをするのも いいでしょう。 仕事の合間やテレビを見ながらなど、こまめに動かすと 下半身の筋肉がちゃんとポンプの役目を果たし、 下半身に滞った気血を巡らせてくれます。 お腹(脾)と腰(腎)を温め滋養するこの時期おすすめの食材は、 鶏肉、タラ、根菜(大根、ごぼう、人参、芋類)です。

夏の疲れは、秋の大風邪に〜初秋の養生

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  9 月に入ったと思ったらもう半ば。 まだまだ暑い日が続いていますが、暦の上ではもう白露となりました。 「白露」とは、草木に露がつき始める季節。 日中はまだ暑さがあっても、朝晩は涼しくなって露が降りて来る、初秋です。 確かに日中はまだ「酷暑」と呼ばれる気温が続いていますが、 朝晩は気温が下がり、気持ちのいい風を感じます。 涼しい秋までもう一息です。 前回も汗の特集をしましたが、今年の夏本当にたくさん汗をかきました。 汗は心液と言われ、心と体を統括している「心」機能の消耗で、 私たちは文字通り心身ともに疲れています。 また、汗の生成には、五臓全てと関係が深く、 加えてエネルギーのベクトルが 外から内側に大きく切り替わる時期なので、 これからの過ごし方に気をつけないと大変な目に遭うことになります。 疲れが取れず倦怠感を感じている人は、とにかくまず、休養を取ることが第一。 無理をしないで、睡眠をしっかりとることが大切です。 次に、汗を大量にかいてしまったことにより、体の中の水分をたくさん放出してしまい、今、私たちの身体は水分が不足して乾燥しています。 「雨が多く、ジメジメしているのに?」と思われがちですが、 体の中の水分が不足してくると、まず粘膜に炎症が起こり、 のど痛や鼻水、咳などの症状が起こります。 こんな時に、コロナウイルスや、インフルエンザウイルスが来たら、 すぐ感染してしまいそうです。 また汗を常時かいていますから、毛穴も開きっぱなしなので、 気(エネルギー)もダダ漏れ。 これでは疲れが取れなくて、やる気が出ないのもわかりますよね。 このような状態のまま秋に突入してしまうと、体の切り替えもできず、 体力も免疫力も不足していますから、風邪を引いてこじらせやすいく、 いわゆる「秋の大風邪」を引き起こしてしまいます。 まず、汗をかいたら今まで以上にしっかり拭き取り、毛穴を閉じましょう。 直接風に当たると、外邪の侵入を容易に許してしまうので、 薄いシャツやスカーフなどで肌の露出を防ぎましょう。 それから疲れている胃腸を養うために、消化の良い温かい食事を摂りましょう。 胃腸が健やかでないと、体を立て直す力が持てません。 ジャガイモやお米、鶏肉は、胃腸に優しく、疲れた体に元気を取り戻します。 梨、蓮根、大根などは、体の奥に流れるエネルギーを補い、体に潤いを与え、 粘膜を保